La Dea delle Foreste
ラ・デア・デル・フォレスタで起こる日々の出来事・・・

久々の帰省                 


 ―――そういえば、どのぐらい経っただろうか。



蹄の音を鳴らし、走り続ける馬車に揺られ続けながら
流れる風景を眺めつつ、私は物思いに耽っていた。

巡らしていた思考を停止して流れる風景を確認すると、大分見慣れた風景だったことに気付く。


もうすぐか―――。


馬車が向かう先はシェーンハルス邸「ラ・デア・デル・フォレスタ」。そう、我が家だ。

とは言え、普段は父であるアルフォンス伯爵の公務の手伝いのために、タウンハウスに住むことが多い。
なので滅多なことがない限り帰省することがないのだ―――私としては。

そんな私が今回、公務の合間を縫ってわざわざ帰省するのはある理由があった。





以前、私のソリシターであるダブロフスキーとの会話に少し気になる話題があった。
それはとあるメイドの話なのだが、話を聞く限りだと随分と不憫な人生を送っているのだ。


名前は―――そう。エルミーラ。


私はどうしてもその話が暫らく頭から離れなかった。
運命の悪戯だとしてもあまりにも不幸―――

どうにかして彼女を救う手立てはないのだろうか・・・気付けばそんなことを考えていた。
そしてある時、ふと思いついたのだ。


ならばいっそのことカントリーハウスで雇えば良いのでは?・・と。


私は父の公務を手伝ってはいるのだが、滅多に顔を合わすことがない。
何故なら父の代わりに公務をしていることが多いからなのだ。
なので直接話すには父が帰省しているタイミングを合わせる必要があった。

この時期はまだ父はカントリーハウスで生活しているので、話すなら絶好のタイミングだろう。
話の内容はもちろん、エルミーラの雇用に関する件。帰省する理由はそのためだ。





再び思考を巡らしていた私は馬車が止まる音とともに、停止した。
窓を覗けば、大きな門のそばに門番とメイド達が待っていた。



―――さて、どう父を説得しようかな。



: 長男・ジェラルド : comments(0) : - : posted by La Dea delle Foreste :
<< : 2/2 :