La Dea delle Foreste
ラ・デア・デル・フォレスタで起こる日々の出来事・・・

blue moon                 

 


―やはり一筋縄ではいかないか…


馬車に揺られること数時間、既にラ・デア・デル・フォレスタの姿は暗闇の彼方へと消えていた。


―さすがは名門、といった所か。


自然と自嘲めいた笑みが口の端からこぼれる。
アルヴァの後見人候補の一つとして訪れたシェーンハルス家であったが、当主たるシェーンハルス伯に会うことは叶わず門前払い…とまでは言わないが、会談を持つ機会は得られなかった。


―徒労に終わったというやつかな…?いや…


少なくとも伯爵があの館に帰ってくる日がわかったのだから良しとしよう。
それに…


「なかなか貴重な再会だったなぁ。ま、一方的ではあったけれど」


記憶の中にあるロベルティーネと久しぶりに会った彼女とを重ねてみる。
いやぁ、世の中には変わらないものというのがあるものだ。


「ん……」


隣を見ると緊張の糸が切れたのか、アルヴァが寝息をたてている。
慣れない場所でドーソン家の息子として毅然と振舞う事は予想以上に疲れたのだろう。


「頑張ったな…」


それにしても…伯爵が帰宅するのはパーティー当日の一日だけとわかったとはいえ…


「パーティーは男子禁制とはね…オマエ、どうする?」


アルヴァの鼻を2、3回押してみる。
起きる様子はまったくない。
そういう所が大物だぞ?


「男子禁制…か」


窓から見える青い月を見上げ、誰ともなしにそう呟いた。

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