La Dea delle Foreste
ラ・デア・デル・フォレスタで起こる日々の出来事・・・

Primavera                 


「ごきげんよう、ゲルトさん」

やけにかしこまった挨拶といつもと変わらぬ明るい笑顔―
軽く挨拶をしながら、肩に乗せていた荷物を置いた


――何だか随分と忙しそうだな?

「えぇ、そうなんです。来月開催されるブロッサム・パーティーの準備で・・」

――へぇ・・ブロッサム・パーティーねぇ・・

「春の訪れをお祝いするパーティーなんて素敵ですよね」



嬉しそうに顔を輝かせる彼女をやわらかな春の光が包み込む
その姿はまるで・・


「毎年開催されているそうなんですが、今年はちょっといつもとは違うようで」

――ん?違うって?

「男子禁制・・・だそうです」

――へ?

「こちらのお嬢様、ロベルティーネ様の計らいで、身内の方や使用人以外の
男性は立ち入り禁止。独身男性は一切ご招待していないようです」



形の整った細い眉をハの字に下げて彼女は困った表情を見せる
それにしても公式のパーティーで男子禁制とはまた、思い切ったことを・・



――ふーん。オレは会ったことはないが、随分と変わったお嬢さんだなぁ・・。

「理由は存じませんが、男性の方が苦手のようです」

――実は、容姿に難ありで男を寄せつけないとか?

「あら、ゲルトさん、失礼ですよ!ロベルティーネ様はとてもお綺麗な方です。
そのお姿は、まるで森の女神のよう・・」



両手を胸の前で組んで可憐に微笑む長い睫から零れ落ちる光の粒
その姿の方がずっと・・



「いけない!リナさんが呼んでいるわ。・・ゲルトさん、またお会いしましょう。
それでは、失礼致します」



思わず伸ばしかけた手を引っこめながら軽く頭を掻く

石鹸を思わせる清楚で透明感溢れる香りが
まだ少し冷たい春の風に乗って運ばれてきた――

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