La Dea delle Foreste
ラ・デア・デル・フォレスタで起こる日々の出来事・・・

俺の日課                 


 ♪

今日もいい天気だなぁ。こんな日は草原に寝転んで昼寝に限る!


門をくぐり、館の道中にそんなことに思いを馳せて口笛を吹く。
しかし、両手に持っているそのカゴの重みで、ふと現実に戻される。


・・・っと、いけない。仕事仕事!


そんなことを思いつつも、ついつい口笛を吹きながら新鮮な野菜を届けるために
今日も今日とてシェーンハルス邸へ荷を運ぶ。





俺はゲルト・ヴェンデル・シュナイダー。
お得意先へお店に入荷した食材やらを配達するのが俺の仕事。
まだまだ親方には及ばない、しがない商人の端くれさ!

お得意先であるシェーンハルス邸は、うちの店が前から贔屓にしてもらっているから随分と慣れたものだ。
そりゃあ最初は館にいるメイドさん達にビクビクしてたけど、今ではもう話しかけたりと随分馴染んだ。
メイドさん達も顔を覚えてくれたおかげか、今では二つ返事で案内してくれる。実に好都合!


そんなある日、この館には見慣れない挙動不審なメイドさんに出会った。
その時、彼女は何か困ったように眉をひそめ、落ち込んでいた。

他のメイドさん達に話を聞くと、どうやら新人メイドで不慣れなせいか
メイドさん達にも目の上のたんこぶのような扱いを受けているようだった。
けど、それでも頑張っている彼女の姿は見ていて辛かった。


そんな健気な彼女が放って置けなくて、俺は徐々に話しかけに行った。
そして気がつけば、配達の度に彼女に話しかけるのが俺の日課になっている。

もちろん、ただ話しかけるだけじゃない。彼女を笑わせる。これに限る!
そのためにも、俺は彼女をいつしか「困り眉」と呼ぶようになった。


我ながら皮肉な―――いや、そうならないためにも。

じゃなければ、あまりにも可哀想だろ。





新鮮な野菜が入ったカゴをキッチンへと運び終える。
メイド長さんに挨拶をして館を出ると、そこにはメモを片手に右往左往した見慣れたメイドさん。
やはり何か困っているのか眉をひそめている。


やれやれ―――やっぱり「困り眉」だな、エルミーラ。


何故か自然と笑みが溢れたが、気にせず俺は今日の日課をこなすため
彼女のあだ名とともに声をかけた。
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