La Dea delle Foreste
ラ・デア・デル・フォレスタで起こる日々の出来事・・・

終わりという名の始まり                 


パーティーも無事に終え、賑やかな空気も冷めたパーティールームの窓際に
私は月の明りを唯々眺めていた。




私は神に感謝した。

偽りの姿であっても、愛してくれていたこと…
エルミーラが私と同じ想いであった事に。


彼女は、私の愛の誓いを受け入れてくれた。


―――ありがとう。エルミーラ……



……それと、オスヴァルトにも感謝しなくては。
エルミーラの立場を見事なまでにひっくり返した、彼の功績は多大だ。

彼のおかげで彼女と結婚できたと言っても過言ではない。

……彼には、何かしらの形でお礼をする事にしよう。




それにしても、あの時の父上には少々驚いた。

ドーソン家の後見人の話は、先月我が家に訪れてきた時点で予想はしていたが…
まさかそれを条件に、ドーソン家の次男、クライドを我が家に迎えるつもりであったとは。

父上が未だ現役であること。
それと同時に、今までの私の不甲斐なさをあの時思い知らされた。。



だが、だからこそ私はあの時、
全てを押し流す事のできる最高のタイミングでエルミーラとの結婚を宣言した。

・・・もしも、すべての準備が整っていなかったら―――



―――いや、止めよう。「もしも」なんて考えるだけ無駄だ。



それよりも、やはり注視しておく必要がありそうだな。

ドーソン家……特にクライド・ハンニバル・ドーソンには。


弟のアルヴァを引き出して来た理由は分からないが、
今の状況下を把握した上で我が家に後見人を頼み込んでくるとは。

確かに少々予想はしていたが、正直なところ五分五分ではあった。
ドーソン家の後見人を引き受けたことによるリスクを考慮すれば、父上も易々と承諾するとも思えない…。

無論、そんな事は向こうも把握はしていたはず。



クライド……か…
もしや…あいつ、本当に…………

…フ、何にせよ、今後目が離せない存在になりそうだ。
 




様々な考えを巡らせていると、扉の向こう側から私を呼ぶ声が聞こえた。
聞きなれた、だがとても愛おしい声に私はふと我に返った。


右手には手のひらに収まる小さな箱。
中には…月の光に輝く指輪。

左手の薬指に贈る為の………


……パーティーでバタバタしていたせいか、渡し損ねていた物だ。




―――フ……そうだな。
今はそんな事よりも、重要な事があるじゃないか。

どんな反応をしてくれるだろうかと期待を込めつつ、私はその優しい声がする方向へと向かった。
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