La Dea delle Foreste
ラ・デア・デル・フォレスタで起こる日々の出来事・・・

not so bad                 


「あと一歩…いやぁ、半歩遅かったという所かな?」



なかなか見事なタイミングで現れてくれたものだ、長男のジェラルド。
もしあの状況で彼が現れなければすんなりと話は纏まって…いや、それを言うなら先日あの館を訪れた際に伯爵がいれば…いやいや、だとしたら館にはしばらく帰らないとわかった時点で伯爵の外出先に直接訪問していれば…



「……ふぅ」



座り慣れた自室のソファーに体を委ね、天井を見上げて乱雑に髪をかく。
たら・ればを連ねて可能性を模索するのは過信というものだ。
シェーンハルス家とは縁がなかった、と考えるべきなのだろう。



体を起こし、ロックグラスにウィスキーを注ぐ。
ヘンリーに押さえられる前に父上の部屋から失敬したスコッチの逸品。
室温に馴らされた茶褐色の液体を口に含むと、豊かな香りが花開く。



ロベルティーネのこの先がどうなるかはわからないが、長男であるジェラルドが結婚を決めた以上シェーンハルス家の今後はしばらく磐石だろう。
これでシェーンハルス家に付け入る事は難しくなったが、まぁアルヴァにとっては良い経験になった。



それに…アイツの言葉にそれも悪くない、と思わせてもらった。



「アイツはもしかしたら…貴方を軽々とこえていくかもしれませんよ、父上」



次世代の王を担ぎ損ねた事を後悔させてやるさ…。



化粧も落とさず眠りこけてしまった弟の玉座を想像して、ああ、やっぱりオレは側にいたほうが良いなと苦笑した。

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